交通事故の際によく「自賠責保険（自賠責）」という名前を耳にすることでしょう。

自賠責保険とはどのような保険なのでしょうか。

また、自賠責から慰謝料などのお金を受け取ることは可能なのでしょうか。

交通事故の被害にあったときに知っておきたい自賠責保険の基本的な知識について解説します。

■自賠責保険とは「被害者救済のための保険」である

自賠責保険（自賠責）とは「被害者の最低限の救済」を目的にしている保険です。

保険会社の自動車保険は任意での加入になっていますが、自賠責保険に関しては、車を運転する人は必ず加入しなければならないというルールがあります。

自賠責保険が強制加入になっているのは、交通事故の被害者救済のためです。

仮に自賠責保険も任意加入であれば、交通事故の加害者が無保険の場合「お金がないから」「使える保険がないから」などの理由により、治療費すらろくに受け取れない可能性があります。

交通事故の加害者の無保険・懐具合によって被害者救済が一切行われないケースをなくすために自賠責保険は強制加入になっているわけです。

加害者が最低でも1つの保険に加入していれば、その保険で被害者を救済できます。

強制加入にすることで被害者救済を行うことが自賠責保険の目的になっています。

■交通事故のときに自賠責から慰謝料をもらえるのか

自賠責保険は交通事故の被害者救済のための保険ですから、仮に交通事故にあった場合は補償を受けることが可能になっています。

ただ、自賠責保険の場合は必ず満額の補償を受け取れるわけではありません。

自賠責保険はあくまで「最低限の被害者救済」のための保険なので、受け取れる補償にも限度があるのです。

まず、交通事故の際に自賠責保険の補償を受けられるのは、「人身事故」により被害があったケースになります。

交通事故の補償の限度額は次のようになっています。

・交通事故による傷害 / 120万円まで

・交通事故による後遺障害 / 75万円～4,000万円（後遺障害の等級による）

・交通事故による死亡 / 3,000万円

なお、交通事故による物的な損害に対する補償はありませんので注意してください。

自賠責保険の補償限度額については国土交通省のサイトでも分かりやすく解説されています。

交通事故の被害にあった方は一読をおすすめします。

https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/jibai/payment.html

自賠責保険でどのくらい補償を受けられるのかなど、交通事故のことで困ったことや分からないことがあれば、専門家である弁護士に一度相談することをおすすめします。

■最後に

交通事故の際に被害者を「最低限救済するための保険」が自賠責保険です。

交通事故の怪我（傷害）では自賠責から補償を受けられますので、まずはご自身の体を治すことを考えてください。

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